強迫性障害を乗り越えた先に

強迫性障害が治る時、それは新たなスタートです。

リワークプログラムについて

こんにちは。yonesonです。

今回はリワークプログラムについてまとめてみます。

このリワークプログラムという言葉、ご存じない方も多いと思います。

 

簡単に説明すると、復職や就職等の社会復帰を目指す人が、様々なプログラム参加を通じて身体と心を慣らしていく「場」といったところでしょうか。

 

地域によってはそのようなプログラムを実施しているところもあるようですし、私が通院したクリニックのように、病院が行っているところもあります。

 

プログラムを実施している機関により内容は異なると思いますが、私は回復に非常に有用だと感じましたので記事にまとめてみました。

参考になれば幸いです。

 

 

目次

 

 

1.リワークプログラム概要

休職や治療していた人が回復すると、次の段階として社会復帰が出てくると思います。

ただし治療明けというのは体力も落ちていますし、その状態で急激に負荷がかかると場合によっては再び体調を崩してしまう恐れもあります。

そして何より、

 ・「とりあえず元気にはなったけど、本当にやっていけるのか?」

 ・「また体調が悪くなったらどうしよう」

この二つは体調を崩した多くの人が思い、不安になるのではないでしょうか。

 

会社や状況にもよると思いますが、復帰場所の人も「治った=すぐに以前と同じように動ける」と思う人もいる為、直ぐに復帰前と同じ仕事を任せようとすることもあります。

中には産業医や人事部と調整しながら、時短勤務や負荷の少ない業務から少しずつ慣らしていく形をとってくれる会社もありますが........

 

それでもやはり復帰する人にとっては、不安はMAXで自信がないことが多いでしょう。

スポーツ選手も怪我からの復帰後は、最初は軽いメニューで徐々に体を慣らしていき、少しずつ負荷を上げていくはずです。

 

そこでリワークプログラムの出番です。

様々なプログラム参加を通じて生活リズムを整えながら、復帰に向けた準備をしていきます。

主な目的は以下の2つかなと思っています。

 ●「復帰後のシミュレーション」

 ●「再発しにくい心身作り」

 

「復帰後のシミュレーション」に関しては主に実務遂行能力の向上です。

スピーチやディスカッション、PC作業等を通じて復帰後、スムーズに業務に従事出来るようにするトレーニングですね。

 

「再発しにくい心身作り」は自己理解や、復帰後の注意点などを確認することで、再発しにくい心構えを作っていくことですかね。

もちろん病気の種類やその時の体調によって、参加が難しいプログラムがあると思うので、個人個人で状況は違ってくると思います。

 

 

2.私のリワークプログラム

私は前職を退職後しばらくは別の病院にかかっていました。

ですがあまりに時間がかかった上、先の展望が見えにくい事を感じ、リワークプログラムがある病院を探して転院しました。

 

多くの場合はまずは休養と服薬により、ある程度体調が落ち着いてからの参加になります。

私は転院時にはある程度落ち着いていたのですぐに参加することになり、主治医と相談しながら徐々に参加日数を増やしていきました。

 

私は最初はプログラム中心の生活、途中からはアルバイトと並行しながら徐々に仕事の日数を増やしていき、次第に仕事中心にシフトしていきました。

 

私は様々なプログラムを経験しましたが、特に役立ったと感じた4つのプログラム+αを独断と偏見で紹介致します(笑)。

 

 

3.私が役立ったと感じたプログラム

①.スポーツプログラム

私は昔から運動が好きで学生時代からテニスをやっていた事もあり、スポーツ全般が大好きです。

このプログラムでは様々な種類のスポーツをしましたが、スポーツをしていると昔の感覚が戻ってきて、「元気だった頃はこういう感覚だったな」という身体感覚が戻ってくるのを感じました。

 

スポーツの持つ独特の爽やかさと、上手くやりたいという向上心が刺激され、自分をいい方向に向かわせてくれました。

 

②.スピーチ

このスピーチプログラムも私にとって楽しいものでした。

私は緊張しいですが同時に目立ちたがり屋でもあります。(実に厄介な性格だ!)

それに昔から物事を順序立てて考え、話を組み立てていくのも好きでした。

 

ところでこのようなプログラムに参加する人は、「コミュニケーションが苦手な暗い人が多いんじゃないか」、というイメージを持つ人もいるかもしれませんね。

ですが実際は全くそんなことはありません。

確かに回復過程で波があり気分が落ちている人もいますが、誠実で頭のいい人が多かったように思います。

 

そして様々な職種・業種の人がいる為、幅広い経験や価値観に基づいたスピーチが繰り広げられました。仕事でスピーチやプレゼンを日常的に行う人もいたので、その人達のスピーチを聞くことも楽しかったですね。

ちなみにスピーチでは毎回優秀賞を投票で決めていた為、スピーチの達人よりも票を取れるよう、話の構成を考えるのは楽しく自信にもなっていきました。

 

③.作業療法

作業療法はものづくり等を通じて作業に対する集中力を鍛え、さらに楽しさ・達成感を通じて自信回復を図るプログラムです。

 

専属の作業療法士がプログラムを考案し、作業時には説明やアドバイス等をしてくれます。

内容は様々ですが工作のようなものが多く、手先を使ってコツコツ進める集中しやすいものが選ばれています。

人の回復状況によって変わってきますが、コツコツとした単純作業を含むものづくりは、周りの人達を見ていても効果があるように思えました。

私自身学生時代やっていた図画工作を思い出して懐かしさを感じ、「図工とか下手だったけど楽しかったな」と昔の感覚を思い出しました。

 

④.認知行動療法

このプログラムは私的ベスト1、2を争うプログラムです。

認知行動療法は「出来事⇒思考(認知)⇒感情」というように、感情は思考から発生するという理論に基づいています。

それゆえ同じ出来事を体験しても人によって思考は違う為、生まれる感情も違うという前提があります。

そこで出来事に対して自動的に反応する思考が、より柔軟なものになれば苦しさも軽減されるという考えです。

 

ただしこれは指導する医師やカウンセラー等によって、効果は大きく違ってくる思います。

表面しか知らない薄い指導の下なら「楽になった気がする」、「わかってはいるんだけど….」というような効果しかありません。

しかし自分と相性がよく、臨床経験豊富な指導者と共に取り組めば、人生や物事に対する姿勢を見直す機会になります

 

個人的に私が患った不安障害は、症状が無くなれば終わりというよりも何かと向き合い物事に対する姿勢・態度を見つめ直すことにより、症状を必要としなくなるものだと思っています。

 

またこのワークでは自分の症状や取り組みを仲間と話しあう時間もありました。

もちろん言いたくない事柄を無理に話す必要はなく、今の自分に出来る範囲でやっていくのですが、自分の話をしたり人の話を聞く場というのは非常に有意義な機会でした。

私の話に共感してくれる人も多く、自分の想いを話せることが出来る場はとてもありがたかったです。

また、人の話を聞いてると「この人が苦しい原因はここなんじゃないか」と思う時もありました。

自分の問題を的確に判断することは難しいですが、人のことは距離感をもって判断出来ることもあり、それが自分の状況理解にも繋がりました。

 

⑤.戦友との出会い

リワークプログラムでは同じように苦しんだが故に、本音で語り合える多くの仲間と出会うことが出来ました。

年齢や仕事、環境もバラバラでしたが、私にとって生まれて初めて心の中をさらけ出せることが出来る人達です。

 

私は自分のことを話すのが苦手で、学生時代も友人と深い話はしたことはありませんでした。

でもここには今まで家族にも伝わることのなかった、自分の苦しさをわかってくれる人がいる。

もちろん症状や苦しさは人それぞれの為、完全に理解しあうのは難しいです。

それでも同士というか戦友に出会えたことは私の財産になりました。

 

 

4.まとめ

私はリワークプログラムに参加して心から良かったと思います。

普通に病院に通院するだけでは体験することは出来ませんでしたし、家以外に居場所があるということもありがたかったです。

またここでの出会いや得たものは、今でも自分の大きな力の一つになっています。

 

ではこれにて!!