強迫性障害を乗り越えた先に

強迫性障害が治る時、それは新たなスタートです。

今、家族に思う事

こんにちは。最近少しずつ暖かくなってきましたね。

テレビで取り上げられることもありますが、最近の激しい温度差で体調を崩している人も多いようです。

私も手足など末端の冷えが酷いので、なかなかにしんどい。

そんな時ははちみつ生姜をお湯で割って飲んでいます。美味しいうえにポカポカになります。生姜は偉大です。

 

さて今回の記事は「家族に対して思った事・思う事」です。

 

この記事を書こうと思ったきっかけは、母が体調不良になったことです。

正直予後が厳しい病気の為、不安でいっぱいです。

情けない話、こういう事態になって初めて家族がいることは当然でない事に気付き、改めて親に感謝するようになりました。

 

ただ今回の記事では、現在というより私の病気がしんどかった時の「私と家族」を中心に書きます。

私は病気によるブランク期間が長かったこともあり、家族に大きな心配と迷惑をかけてしまったなぁと思っています。

そこで当時を振り返り、今だから思う事・思えることを書いていきたいと思います。

 

 

 

1.病気と家族の関係

メンタル疾患にはうつ病や不安障害、摂食障害等様々なものがありますが、病気になって家族と一度もぶつからない人は、いないのではないでしょうか。

 

今だから思えるのですが病気は当事者はもちろんのこと、家族もしんどい思いをするのだと思います。

私は当事者側なので家族側の思いは想像でしか図れませんが、家族にとっても私の不調は大変だったと思います。

 

以前症状振り返りの記事で、家族との関係について少し触れました。

 

yoneson.hatenablog.com

 

当時の家族の心境は「どんな対応をしていいのかわからない」、というのが正直なところではないかと思います。

 

こういう病気って細かいニュアンスを人に伝えるのが難しいんですよね。

体調は日々変動し、1日の中でも上下の波があります。それに人によって症状は違う為、他の人の状況が参考にならないこともあります。

 

私も家族に自分の状況を適切に説明することは出来ませんでした。

以前の記事でも触れましたが、自分でもどうしようもない症状でしたし、論理的な説明なんて出来ないわけです。

 

仮に家族に伝わったとしても、その要望に家族が100%応えるのはまず無理だと思います。

特にメンタル不調に理解がない家族だと大変だと思います。

というより最初から理解のある家族はごくごく少数だと思います。

最近はニュースや新聞で取り上げられることも増えましたし、企業内での社員研修で学ぶ機会も増えてきたようですが。

 

それにメンタル疾患は個人によって症状やそれに伴う苦しさが大きく違う為、ニュースやセミナー等で受け取った一律の情報で対処するには限界があります。

ましてや距離が近すぎる家族では感情も相まって、家族間で傷つけ合ってしまったという話もたくさん聞きました。

 

 

2.病気を正しく理解してもらうのが難しい理由

次に病気を理解してもらうのが難しい理由を、以下①~④自分なりに挙げてみました。

 

①.患部が無い

当たり前のことですがメンタル疾患には、「目に見える患部」がありません。

つまり「ここが悪いからここを治療するね」というように、ポンと治療出来ない事がほとんどで、家族にも治療・回復の流れがわかりにくいのです。

 

もちろん家族が診察に同席し、医師から説明を受けるケースも多いでしょう。

しかしそこで受けた説明で明確に納得できるケースは少ないと思います。

私も家族に同席してもらったことが何度もありますが、家族にとって簡単には理解しがたかったようです。加えて父が病気に対する自論を展開したことで、私と父がお互いの考えをぶつけ合うこともありました。

 

 

②.辛さが想像しにくい

「病気の苦しみはなってみないとわからない」とはよく言われますが、メンタル不調はまさにそうだと思います。

例として骨折なら骨折したことがない人でも痛みのイメージは沸くと思います。しかしメンタルの不調はなった人でなければ苦しさは理解しにくいと思います。

これは家族が悪いという話ではありません。

 

 

③.家族に伝えにくい事柄が絡む

家族に診察結果・経過を伝えにくいケースがある場合も、理解してもらうのが大変だと思います。

メンタル疾患にかかる原因は様々なものがあります。

過労、人間関係、職場環境、神経伝達物質の乱れ、心の葛藤などなど….

その中には個人の中で完結する原因だけでなく、「関係性」に一因があることが多い気がします。

 

仮にカウンセラーとのやりとりの中で、親子関係の改善が治療の「カギ」だと浮かんできたとします。でもそういう事柄を家族に上手く説明するのは難しいですよね。

 

診察やカウンセリングの内容を家族に説明している人も多いと思いますが、言いにくいことはたくさんあります。

患者としても余裕はありませんし、家族も病気になった原因が自分にあるかもしれないとは夢にも思わないでしょうから。

このように患者側の気持ちが絡むことで、家族に正しく理解してもらうのが難しいこともあります。

 

 

④.治療に要する時間と経過の予想が難しい

治療にかかる時間を明言しにくいのも、メンタル疾患の特徴の一つだと思います。

会社を休職している場合は休職期間が定められている為、それが一つの目安になると思います。(もちろん治療経過を予想するのは難しく、休職期間が延長されることもあります)

 

もちろん体調を崩すのはサラリーマンだけではありません。学生や主婦、退職した方もいます。

その場合は状況が固定化されてしまい、病気が長期化してしまう事もあると思います。

今思えば私自身、長期化してしまった方だと思います。

 

この病気は良くなったり悪くなったりしながら、全体として少しずつ回復していくのが全般的な傾向だと思います。

その為、他の病気と比較して判断に要する期間も長くなりがちな為、「次の段階に進めるのか?」と思っても、不安等の影響で時間がかかるのです。

 

治療に時間がかかり過ぎたり、治療方針に疑問を持つことで、転院したくなることもあります。

でも転院した病院が今よりいい病院である保証は無いし、これまでの治療の流れをまた一から説明するのも大変です。

私は今思えばもっと早く病院を変わっていればと思います。

もちろんそれは結果論で、当時は当時の自分なりに精一杯やっていました。

 

 

3.私に対する家族の対応

私を見ている家族ももどかしかったと思います。

プレッシャーをかけないよう気を遣うものの、内心は早くこの状況を打開して欲しいと思っていたと思います。

いつ子供(私のこと)の状況が良くなるかわからない。でも今以上にいい対応法もわからない。

家族も相当ストレスを感じていたと思います。

 

家族側も本で調べたり医者で聞いた話を対応に活かそうとしても、上手くいかず傷つける言葉をかけてしまうこともある。

私の父は根性論で頑張ってきたタイプなので、細かい部分で私と衝突することも多かったです。

 

でも反省することはありますが、当時の自分を責めたくはありません。

しんどい毎日のなか、なんとか事態を好転させようと必死にもがいていたからです。

 

 

それら全部ひっくるめて私は家族にとてつもなく感謝しています。一生かかっても返しきれない位に。

親に対して思う事は多いですが、「心配して愛してくれている」という点には、一点の疑いもない。

そこは自信を持って言えます。

 

 

世の中色んな家族関係があると思うので、あまり無責任なことは言えません。

でも病気の身内を持つ家族にとって共通する想いは、「心配だけどどう接していいのかわからない」というものではないかと思います。

 

 

4.家族関係改善の兆し

私の場合家族との関係改善のきっかけは、「家族以外との世界を広げた」のが大きかったと思います。

どんなに仲の良い家族でも煮詰まることがあります。そんな時家族の中だけで調整しようとしても、こじれてしまいがちです。

そのような時は、家族・患者共に、家族以外に居場所があると事態が好転するかもしれません。

 

私が参加したリワークプログラムもそうですし、アルバイト、サークル、サポート機関等、可能性はあちこちにあります。

例えば新聞やネットでは地域ごとの相談(対面・電話共に)機関の紹介が載っていることもあります。

 

私が利用したのをいくつか挙げていきます。

・病院併設のリワークプログラム

・県の電話相談

産業カウンセラーによる無料カウンセリング

・アルバイト

・スポーツサークル

 

行動する理由は自分が楽になりたいからという理由でOKです。爆発する前の利用をおすすめします。

身内に病気の人がいる場合、家族だけで抱え込んでいるケースも多いと思います。

あまり外に積極的に開示するものではないですからね。

 

家以外に居場所が出来ると少し生活に張りが出ますし、そうやって少しでも晴れた顔を見ると、家族も少しはホッとするのではないでしょうか。

 

外で自分の苦しい状況を話せる場があると、心の底から安堵出来ますし内に内に向かっていたベクトルが外に流れ出し、病状や家族関係もいい方向に動く可能性も大きいと思います。

 

 

5.最後に

今の時代、家族は無条件に自分を大切にしてくれていると一概には言えないかもしれません。

それでも多くの家族は、家族を心配し大切に考え、力になりたいと思ってくれていると思います。

 

良くも悪くも家族の存在というのは大きく、病気の原因の一因に家族の存在がある人もいると思います。

ですが病気というのは家族の在り方を再構築する機会にもなりえます。

変化というのは「いい変化」にしろ「悪い変化」にしろ、苦痛と居心地の悪さを伴うものだと思います。

 

私は家族に心配をかけてきて、情けなく自己嫌悪に陥ることもしょっちゅうでした。

ですが家族も苦しみ、悩み、力になりたいと思ってくれていたのだと思います。

 

 

私は一番の親孝行は元通りになることではなく、例え家族との関係性が変わっても、自分を軸とした生活・幸せを築いていくことだと思います。

そのことを肝に銘じ日々過ごしていきたいと私は思っています。(それが難しいんだけど!!)

 

 

 

※最近言われた印象に残る一言

焦ったら負けだよ!!