強迫性障害を乗り越えた先に

強迫性障害が治る時、それは新たなスタートです。

漢方治療について

皆様こんにちは。もち丸です。

 

いやぁ、最近寒すぎませんかね?ついこの間まで半袖で過ごしていたのに、秋を飛び越していきなり冬モードになってしまいました。

あーあ、秋も冬も嫌だな。早く夏にならないかなぁ。という今日この頃です。

 

さて今日は漢方についてまとめてみました。私は現在漢方内科に通っていて、それもあってか例年よりも確実に体調が良いです。

ただ漢方はとても歴史が古く非常に奥深い分野です。そして今回の記事は私自身の見解が多分に入っている為、正確な知識とは少し違っているかもしれませんが、その点はご了承ください。

 

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1、漢方って何?

簡単に説明すると漢方とは生薬を組み合わせたもののことで、生薬とは自然界にあるものの中で体に良い影響を及ぼすもののことを言います。

生薬の多くは植物由来だそうですが、中には骨や鉱物を使っているものもあるそうです。ともかく元々自然界に存在するものというのが、大きな特徴です。*1

 

多くの人が「風邪には葛根湯」というイメージがあると思いますし、養命酒や救心等も生薬由来の健康商品ですので、生薬というのは思ったより身近な存在なのかもしれません。

ちなみに西洋医学の医師も一部漢方を扱いますが、この漢方を専門に扱い治療を行う医師のことを漢方専門医と言います。

 

 

2、東洋医学と西洋医学

私個人の感想ですが東洋医学と西洋医学は優劣の関係ではなく、それぞれ得意分野、苦手分野が違うというイメージです。

 

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f:id:yoneson:20211022145909p:plainと言ったところでしょうか。

 

西洋医学は体の問題個所が特定出来る時は、かなりの効果が期待出来ます。

それに対して「体調は悪いけどはっきりした原因が分からない」場合には、東洋医学が役立つかもしれません。

 

色々な検査や治療を行っても状態が改善せず、それでも痛みが取れない場合に痛み止めを使うのはありです。でもこちらが「痛い」と訴えているのに、ロキソニンを処方して終わりというのは、果たして治療と言えるのでしょうか?私にはそうは思えません。

それに対して東洋医学は患者の訴えを非常に重要視します。例え画像や数値に異常が無くても、痛いのであれば痛いのです。そこを大事にしてくれる印象です。

 

東洋医学には心と体は一つであるという、「心身一如」という考えがあります。それに対して西洋医学は体と心を分けて考えます。(更には体をより細かくパーツ毎に分類します)

その為例えば西洋医学の整形外科では、「足が痛い」訴えには対応してくれますが、「気分が優れない」、「精神的にキツイ」という訴えに関しては、「他の病院で診てもらってください」という対応になります。(ある意味当たり前ですが)

それに対して東洋医学は心身一如に加えて、体は全て繋がっているという考えのもとに診察してくれますので、辛い症状全てを伝えて大丈夫です。その全てを判断材料にしてくれます。

 

 

3、精神科と東洋医学

またここで精神科について少し考察してみます。

一般的な精神科ではこちらの症状の訴えに対して、薬の種類や量を決めるという流れです。つまり薬を処方する為に診察がある感じです。

でも心身が苦しくて精神科に行くとき、私達の多くは「先生にじっくり話を聞いてもらいたい」と思うのではないでしょうか。ところが実際は1時間くらい待っても診察はたったの5分位で、しっかりと話を聞いてもらう時間を持つのは難しいのが現実です。

 

もちろん患者の言葉をじっくりと聞くことを大切にしている先生もいますが、じっくりと話を聞いてもらう為にはカウンセラーを利用しないといけないことが多いです。

※ちなみに私は昔もっと話を聞いて欲しいと訴えたことがありますが、先生は「それは後にしてください、私はカウンセラーじゃないので」と一蹴された経験があります。

 

対して東洋医学は先ほど説明した心身一如の他、「異病同治」「同病異治」という言葉があります。それは異なる症状の人二人がいたとしても同じ治療を、もしくは同じ症状があっても、人によって違う治療をするというイメージです。その意味で東洋医学はオーダーメイド治療といってもいいかもしれません。

またうつや不安障害の治療に漢方を使う精神科医もいますし、東洋医学においてもうつや不安障害に対するアプローチがあるそうです。

 

 

4、私の漢方治療

さて私が漢方内科を受診したのは理由があります。受診当時私は転職活動や母の病気、さらにはコロナの影響が絡まって、精神的にはギリギリでした。

感じていた不調は「耳鳴り」、「お腹の不調」、「手足の冷え」、「心身の緊張」等です。

 

色々な相談出来る場所を作っていはいたものの、それだけでは限界に来ていましたし、例えもう一度精神科に行ったとしても「ストレスでしょう」と言われることは容易に想像がつきました。その為何か違う方法で心身が楽になる方法は無いかと考えていたのです。

そんな時昔整体を受けた経験や、以前東洋医学の本を読んだ経験から、「漢方ってどうだろう。漢方を処方してくれる医者っていないのかな」と思い、漢方専門医がいる病院を調べたのです。

 

 

5、漢方内科受診

ここで本題に入る前に、漢方治療の治療費についてお話しておきます。

結論から言うと漢方治療は自由診療保険診療どちらの病院もあります。やはり治療費の問題はとても大事なので、事前に保険適用しているかどうかを確認しておくといいと思います。(※私は保険診療です)

 

さて実際の診察ですが、漢方内科の診察は一般的な内科の診療とは少し違っています。まず初診時の問診表がものすごく細かく作られているのです。一般的な治療歴や現在の症状に加え、「どんな体質か」といった内容の問診までありました。

そして診察にも特徴的なものがありました。問診はもちろん、舌の様子、脈、顔色、お腹の触診等、体の様子を事細かに観察しているようでした。

 

漢方内科では体の状態、おおまかに「気」・「血」・「水」の過剰、不足、乱れを観察し、その人に合った漢方を処方します。

私の場合は気が不足していて、特にお腹の調子が悪かった為、お腹を中心に整えていく流れになりました。

そして漢方内科に通ううちに、100%とは言えずとも少しずつ調子が良くなっていきました。

 

 

6、東洋医学では養生が大事

ただ漢方専門医の治療を受け、そして漢方に関する知識を学ぶ中で、「漢方も大事だけど、病院以外の普段の時間こそが回復にとって大事なのかもしれない」と思い始めました。

「養生」という言葉がありますが、この言葉は東洋医学において重要なキーワードです。

私はこの養生という言葉に対して、栄養を取って、体を温かくして、しっかりと休養を取るというイメージを持っています。

私は失礼ながらこの「養生」はお年寄りに大切なものだと思っていたのですが、忙しい現代においては年齢は関係なく、全ての人にとても大切な概念のような気がします。

 

例えば私は昔からお腹が弱く、ストレスや寒さ、辛い食べ物等、ちょっとしたことでもすぐお腹を壊してしまいます。そんな私がいくら薬を飲んだところで、冷たいものをガブガブ飲んだりしていたら、「お前治る気あるの?」ってなりますよね。

若い時はあまり養生を意識しなくても大丈夫かもしれませんが、年を重ねたり、あるいは体調が悪い時は、この養生という概念を意識すると、少し生きやすくなるかもしれません。

 

 

7、根治というより日々のメンテナンス

私は漢方内科の先生に「私は何をもって治療のゴールとすべきが迷っています。個人的には就職してからしばらく経って、仕事に慣れた頃がその時期だと思うのですが」と聞いたことがあります。

すると先生は「漢方においてはゴールというのを決めなくてもいいと思いますよ。仕事だと目標設定は大事だけど、治療に関してはゴールを決めてしまうとプレッシャーがかかりますからね。それよりもその時々で漢方を調整していく感じがいいと思います」とのことでした。

 

それを聞いて「メンタルクリニックに通っていた時は、早く薬を減らしたいと思っていたけど、もういいか。働きながらでも病院行って、漢方ずっと飲み続けたっていいんだよな」と思いました。

「悪いところがあってそれを治す。そしてそれから行動する」。それももちろんいいですが、行動しながら漢方に頼るってのもいいのかなと思いました。

 

 

8、100%を目指すべきか?

改めて私は思うのです。100%の健康とは一体どんな状態を指すのでしょうか。

例えば「体のゆがみ」に関しては、このゆがみがあまりに酷い人は整体やカイロプラクティックに行くことで、ある程度健康になれるかもしれません。でも体のゆがみが全く無い人はいないのではないかとも思います。

 

皆それぞれのゆがみを持ちながら、何とかバランスをとって日々過ごしているのではないでしょうか。

同じように考え方の癖についても、認知のゆがみが全く無い人もいない気がします。

皆何かしらの考え方のゆがみのようなものを持っている。そして病気等の問題が発生した時に、私達はこのゆがみの修正を求められます。ですがこの認知のゆがみを改善すべく認知療法に長年取り組んでも、依然として苦しい状況にある人も多いと思います。

 

私も長年認知行動療法に取り組んだ経験がありますが、最近は認知のゆがみを0にすることが正しい目標設定ではないと思うようになってきました。なぜなら人間は機械で作られた均一の工業製品ではないからです。

 

 

9、十分頑張ってきた

私はこれまで元気になる為に様々なことに取り組んできました。その全てに少しずつ効果があったのかもしれませんし、その全てが決定打に欠けていたのかもしれません。

それでもあえて言えば、私はその時その時少しでも良い方向に行こうと頑張ってきました。人からは理解されずとも、ずっともがいてきました。

私はずっと頑張ってきた。例え結果に繋がらなくとも。

 

このブログを見ている方がいたとしたら、恐らくその人も辛く、苦しい状況の中にいるのかもしれません。でもその人だって少しでも良くなろうとあがいているからこそ、私のブログを見てくれているのだと思います。

もう皆充分頑張っている。そろそろ自分を責めるのは終わりにしたいですね。

 

 

10、最後に

かなり長文になってしまいましたが、今回は漢方治療についてまとめました。

私は漢方専門医に漢方を処方してもらっていますが、漢方自体は薬局で簡単に買う事が出来ます。

ただ薬局で漢方を買うことが悪いわけではありませんが、自分の体質や状態に合わせて適切に漢方を選ぶことは、非常に難しいと思います。

 

例えば「お腹をすぐに壊す」という症状一つとっても様々な原因があり、それによって合う漢方も違ってきます。

それに漢方は何となく副作用が少ないイメージがありますが、やはり漢方にも飲み合わせの注意や重篤な副作用の可能性もあります。

 

それでも今実際に体調が悪いのに、病院に行ってもなかなか原因が分からず、ストレスでしょうと言われてしまう。

そんな人は一度漢方専門医を頼ってみるのもいいかもしれません。

*1:「ココロとカラダの不調を改善する やさしい東洋医学」 ㈱ナツメ社